病弱・虚弱

病弱・虚弱とは

「病弱・虚弱」は、医学用語ではなく、一般的な言葉として、また行政用語として使われています。
病弱・虚弱では、疾患や障害の種類が多様であるとともに同じ疾患や障害のある学生が少ないのが特徴です。本人が障害を積極的に明らかにしない場合も多く、自分の障害が周囲の人に理解されないこともあります。そのため、精神的に孤独な状況に陥ることのないような環境づくりが大切です。また、緊急的な対応が起こりうる病弱・虚弱の学生に対しては、本人の同意のもと、可能な範囲で主治医からの疾患に関する情報を得て、個々の学生の緊急時の対応把握や医療的対応のシミュレーションを事前に行う必要があります。

てんかん

てんかんとは

様々な原因で起こる慢性の脳疾患で、けいれん等の繰り返す発作(てんかん発作)を主な兆候とします。てんかん発作には様々なタイプがあり、意識消失を伴う強直間代発作(大発作)が最も多く見られます。

配慮や支援のポイント

発作のときには、食物や吐物による気道閉鎖(窒息)に最も注意しなければなりません。 発作に遭遇した場合は、顔および体を横に向け(側臥位)、気道閉塞を防ぐことが重要です。周囲の人は冷静に対応することを心がけ、身体をゆすったりしてはいけません。また、発作を起こした際は必ず医師の診察を受けさせてください。

気管支喘息

気管支喘息とは

気道の慢性的な炎症により、気管支が過敏な状態になり、発作性の咳や喘鳴を伴う呼吸困難(喘息発作)を繰り返す疾患です。気管支喘息の人は、ダニやホコリなどのアレルゲンの吸引や運動、タバコの煙、ストレス、気象の急激な変化などにより発作を起こし、日常生活が制限されることがあります。

配慮や支援のポイント

大学内の室内環境を、喘息発作を誘発しないように調整する必要があります。ホコリを減らす対策や、禁煙や分煙の徹底が重要です。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

かゆみのある湿疹が顔や関節などに多く現れ、慢性的に続くものです。アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、刺激に対して敏感で乾燥しやすいため、様々なアレルゲン、汗、プールの塩素、シャンプー等の刺激や心理的ストレスなどにより、症状の悪化が見られることも知られています。また、慢性的なかゆみによる集中力の低下や顔面の湿疹による審美的な理由によるコンプレックスなどに起因する心理的ストレス、かゆみを抑える薬の服用による眠気も修学上の障害となることが考えられます。

配慮や支援のポイント

室内アレルゲンに対するアレルギー体質が明らかな場合には、室内の清掃や換気などにより環境中の悪化因子を除くことが必要です。課外活動や実習、体育的活動等に際しては、シャワー室の整備・利用によって発汗後のスキンケアが可能となり、症状の悪化を防ぐ上で役立つ場合もあります。

食物アレルギー・アナフィラキシー

食物アレルギー・アナフィラキシーとは

食物アレルギーとは特定の食物を摂取することによって、皮膚や呼吸器、消化器、または全身に生じるアレルギー反応のことを指します。また、アナフィラキシーとはアレルギー反応により、皮膚症状(じんましん等)、消化器症状(腹痛・嘔吐等)、呼吸器症状(喘鳴・呼吸困難等)などの複数の症状が同時に現れる状態です。アナフィラキシーは蜂などによる昆虫刺傷、薬品の摂取、ラテックス(天然ゴム)等の接触によっても起こり、重症例ではショック症状をおこし、生命の危険な状態に至ることもあります。

配慮や支援のポイント

学食などの食品を提供する場で、使用食材の情報提供を徹底することが求められます。また、薬品やラテックス(天然ゴム)を含む実験用手袋を使用する学科(実験系)でも注意が必要です。アナフィラキシーが起こる可能性がある学生を事前に把握し、原因物質との接触の回避を図ることが重要です。なお、食物アレルギー・アナフィラキシーと診断された人は、アドレナリン自己注射薬(商品名:エピペン)が主治医から処方され、本人が所持している場合があり、その使用については周囲の職員も含めて共通理解を持っておくことが必要です。

ネフローゼ症候群・慢性腎疾患

ネフローゼ症候群・慢性腎疾患とは

腎臓の中で血液中から尿を生成する組織(糸球体)の異常により、尿中から多量の蛋白が体外に失われる疾患です。蛋白尿とむくみ(浮腫)などがみられ、放置しておくと体内の蛋白質が失われ(低蛋白血症)重症化します。腎疾患には、その他にも多くの疾患があり慢性的なものも多く、腎機能が著しく低下した場合には人工透析を定期的に行うことが必要となります。

配慮や支援のポイント

治療に伴うステロイド剤や免疫抑制剤の服用などにより、感染症に対する抵抗力が低下している(易感染症)場合があります。健常者に比べ感染するリスクが高いので注意が必要です。学内でインフルエンザ等の感染症流行が起きた場合には、本人に早めに情報を提供するなどの配慮が必要です。また、透析などによる欠席の場合は、補講などの代替による便宜を図り、定期的な受診・処置をサポートする必要があります。

インスリン依存性糖尿病 

インスリン依存性糖尿病とは

膵臓からのインスリンの分泌が無いため、糖の利用ができない疾患です。症状としては無治療の場合、高血糖、尿糖が見られ、次第に多飲・多尿・体重減少が出現し、最終的には意識障害に至ります。治療としてはインスリン補充療法が行われ、小学校高学年以上は自己注射による補充が一般的です。

配慮や支援のポイント

普段の生活と異なるイベント(コンパ・飲み会)がある際の高血糖のコントロールや、体調不良時などエネルギー摂取量が普段より低下した際などに出現する可能性がある低血糖に対する対応が問題になります。基本的には、主治医の指示に従い本人自ら対応できます。
しかし、意識障害を伴う急激な低血糖などの不足の状況に対応できるように、教職員を含め周りの人は、本人とよく話し合い状態を把握しておく必要があります。

悪性新生物 

悪性新生物とは

悪性腫瘍すなわち「がん」は、すべての年齢層に発生する可能性があります。小児期に白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫、神経芽腫、ウイルムスの腫瘍等治療が行われ、病的な症状が一旦消失しても(寛解)、再発のリスクを考慮して長期にわたり外来での治療や経過観察が必要とされる場合が多くあります。また、化学療法による体調不良のための欠席や薬の副作用による身体的あるいは精神的な問題が生じる可能性があります。

配慮や支援のポイント

一人ひとり病状が大きく異なるため、主治医や家族とも密接に連絡を取り、病状の理解、今後の病状の見通しの把握、学校生活における配慮事項などに対応する必要があります。化学療法が行われていると、感染症に対する抵抗力が低下している(易感染症)場合があります。健常者に比べ感染するリスクが高いので注意が必要です。学内でインフルエンザ等の感染症流行が起きた場合には、本人に早めに情報を提供するなどの配慮が必要です。先々、本人の病状が悪化する可能性がある場合には、修学に際しての心理的なサポートも不可欠になります。

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